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執筆者の写真近藤 伸夫

福島原発 処理水放出で塩の影響

東京電力福島第一原子力発電所の敷地内でALPS処理水処分しなければならないために処理水の放出が始まりました。私個人としては、国や東電が15年前に「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」という約束をしたにも拘わらず、福島県の水産関係者が反対をしているのに放出に踏み切ったのには問題あると思っています。 また、中国が水産品前面輸入禁止の措置をとったことはどうかと思いますが、中国の人たちが反対することや日本で獲れた魚を食べないのは、個人の判断であり、海もつながっていることだし道理が通っていないわけではありません。日本人でも福島の魚と距離をおこうと思っている人もいるでしょう。 さて、塩の話です。韓国のスーパーマーケットあたりでも処理水放出する前に塩(天日塩)の買いだめがあったそうです。放出後に出来た塩でキムチを漬けるのが嫌だったという人も多かったようです。

今回放出している処理水は、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、コバルトなどの放射性核種を、薬液によって沈殿処理したり、活性炭・吸着材で吸着したりして、トリチウム以外それらを環境放出の際の規制基準を満たすまで繰り返し浄化処理(APLS処理水)し、さらにトリチウムを処分する前に海水で大幅に薄め(薄めた後のトリチウムの濃度は、国の定めた安全基準の40分の1(WHO飲料水基準の約7分の1))たものです。もともと海水にはストロンチウムやヨウ素なども含まれているので、今回これらは問題ないとして、トリチウムが影響あるかどうかということです。 一部日本の解説者が「天日塩を作る過程で水は空気中に全て蒸発するため、(化学的に水と同じ)トリチウムの影響を受けることはない」などと言っておりますが、天日塩は2~10%の水分を含んでいるのでこの判断はおかしいです。それよりもトリチウムは、水道水や雨水、私たちの体の中にも含まれており、自然界にも広く存在する放射性物質なので、全く問題ないとしたほうがよいでしょう。 それでも懸念がある方は、岩塩を食してください。



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